R2-D2からライトセーバーを受け取り、ストームトルーパーの銃撃を跳ね返しては相手を退ける。オノコム7階ロビーでは、宇宙の平和を賭けた熾烈な戦いが繰り広げられていた。いったい、なぜオノコムの社員はVRゲームで遊んでいるのか?
その問いは愚問だ。この遊びの中にこそ、オノコムが進めるデジタル改革の起源が潜んでいるのだから。
2016年は、VR元年と呼ばれた。Oculus社やSCE社、HTC社から高品質なVRゴーグルが続々発売され、業界は沸き立った。最先端テクノロジーの動向を常にウォッチする杉浦CDOが、この動きを見逃すはずはなかった。
「これからはVRの時代がきます。業務で使える可能性があるので、最新のVRゴーグルを購入しても良いですか?」とお伺いを立てると、「おもしろそうだね」と代表の小野は即座に承認し、数週間後、最新のVRゴーグルが本社に届いた。さっそくVRゴーグルを被り、ソフトウェアを立ち上げると、そこには360度コンピュータグラフィックで描かれた異次元の体験が待っていた。
VRを体験した杉浦CDOや那須貴寛は、「これを3DCADと連動させれば、設計時点で内観や外観をリアルに体験できますね」と、建設の未来を想像してワクワクした。ところが、当時、3DCADに対応するVRソフトは、世界中探しても見つからなかった。そのため、購入後数年はVRゴーグルを業務で活かすことができなかった。
せっかく購入したVRゴーグルを眠らせておくのはもったいない。休憩時間や業務後に自由に使っていいと、本社7階ロビーに設置すると、好奇心旺盛な社員たちが集まり、VRゲームの世界を楽しんだ。数あるVRコンテンツの中でも人気があったのは、スターウォーズの世界を体験できるTrials on TatooineというVRゲームだった。
こうしてダースベーダーとの戦いからはじまったオノコムのVR活用は、次のステップでベンチャー企業が開発した3DCAD連動型VRソフトを導入し、当初の狙い通り、施工前に建物の外観・内観を体験できるVDCソリューションの礎となる。
このVRゴーグル購入に始まる一連の出来事は、「なければつくる」オノコムらしさを象徴するエピソードといえる。
「ONOCOM-ZINE」とは?
オノコムのIT活用を推進するiTeamsが自社を独自に取材し、事実に基きつつも適度に脚色を加えながらユルくお届けする情報発信メディアです。