営業と書いてプロデューサーと読む、
折り紙付きの実力派集団
「オノコムでやっていける自信がありません」と、即戦力として期待された営業マンは、入社からわずか半年で退職願いを提出した。この営業マンは、業界経験の長いベテランとして期待されて入社したのだが、オノコムでは結果を残せなかった。
「過去にどんな仕事をしてきたのか聞くと、『毎日お客様先に伺い、社名と顔を覚えていただき、連絡があれば駆けつけるようにしていました』というわけです。昔は、我々もそういうスタイルで営業していましたが、今のオノコムでは通用しません。何度か面談して奮起を促しましたが、決意は変わりませんでした」と、取締役執行役員の渡邊直樹CHO(Chief Human Officer)は話す。
今のオノコムには、単に“売る”だけの仕事は存在しない。営業担当は、お客さまの要望をしっかりヒアリングして潜在的ニーズを掘り起こし、企画を立ててデザインセンターやVDCチームと連携してプロジェクトを主導し、竣工後も提案を続ける。つまり、肩書きは営業だが、実体はプロジェクト全体をマネジメントするトータルプロデューサーなのである。
「建築プロデュース企業」というコンセプトを代表の小野がぶち上げた当時のエピソード。当時、今のオノコムの営業スタイルを明確にイメージできているものはいなかった。
「設計事務所の方と話すと、オノコムの営業は何でもできることが強みと、よく言われます。同業他社だと、営業は営業、積算は積算、工事は工事、設計は設計と分かれているから、ちょっと修正が入っただけで『一旦持ち帰って担当部署に相談して後日回答します』となっちゃうわけです。我々の場合、肩書きは営業ですが見積も積算もできるし、現場もわかるので、修正があってもその場で即断即決できます。それが、お客さまの信頼につながっています」と、営業本部 統括の鈴木悠介は話す。
仮にスーパーゼネコンに10年勤めたとしても、営業から設計・積算・見積・施工管理までわかり、BIMやVR、ドローンの活用まで理解できる人材は、まずいないだろう。では、なぜオノコムでは、そんなオールマイティな人材が育つのか?
「仕事って長く続ければいいわけではなく、経験値を重ねた分だけ成長すると思うんですよ。オノコムでは、年次が若くてもお客様のところには、1人で行ってもらってます。当然、お客様はオノコムの社員だから何でも分かると思い、いろいろ相談してくれるので、その場で答えられる準備をしなくてはなりません。そういう環境下に置かれれば、自ら必死に勉強し、分からないことは自ずと人に聞くようになる。まず自分で考え、実行し、反省を繰り返してくれるので、上司と同行するより成長スピードは速いと思っています。」と、鈴木は現場主義の人材育成の実態を説明する。
営業と書いてプロデューサーと読む、肩書きさえも常識が通じない。オノコムは、肩書きさえも“なければつくる”なのである。
「ONOCOM-ZINE」とは?
オノコムのIT活用を推進するiTeamsが自社を独自に取材し、事実に基きつつも適度に脚色を加えながらユルくお届けする情報発信メディアです。