「ビルドサービスをオノコムグループで1番の会社にしたい、それが私の口癖です。売上高1番は難しいかもれないけど、チームワークと人間性だったら1番になれると信じています」と、ビルドサービスの鈴木正人社長は話す。
ビルドサービスは、建築工事の地鎮祭や起工式の準備・設営から仮設事務所、資材のレンタル・販売、足場の組立・解体、内装資材の提供、竣工式の運営まで、すべての業務を支える会社である。
オノコム社員だった鈴木がビルドサービスへ転籍したのは2017年だった。
「きっかけはビルドサービスの幹部候補へのグループ内公募でした。正直、環境の変化や将来のキャリアなど、メチャクチャ悩みました。でも、自分自身を変えるチャンスだと思い、手を挙げました」と、転籍の経緯を話す。
「どうなっているんだ、ここは!」が、ビルドサービスの第一印象だった。社員は決められた仕事しかせず、「誰かがやるだろう」との意識が蔓延し、失敗しても他人のせいにして反省しない。遠方出張は嫌なので、東三河以外の仕事は受けようとしない。
このままではダメになると思った鈴木は、社員を叱咤激励し、制度改革を提案するなど精力的に働いた。しかし、「どうせ出向でしょ?何だかんだ言っても最後はオノコムへ戻るんでしょ」と社員に反発され、何度も言い争いになった。精神はボロボロになり、眠れない日々が続く。
「オノコムに戻る気など毛頭なかった私は、自分が何しに来たのかを再度自問自答し、喧嘩してでもやり遂げて見せると覚悟を決めました」
社員全員と1対1で面接、一人ひとりの性格や意欲、不満に耳を傾け、自分の思いを伝えた。会社の状況を把握する中、組織体制の課題を突き止めた。
「取締役2名を除き横一列の組織が誰もリーダーシップを取らない原因だと考え、指揮系統を明確にして個々の性格やスキルを加味して役割を与えました」
この組織改革が奏功し業績が向上。翌年、鈴木は取締役執行役員に昇格し、2年後に代表取締役社長に就任する。
社長になった鈴木は、会社の財布事情まで社員の前に曝け出し、「正直私だってお金が欲しい。みんなでがんばって売上げを上げて、儲かった分を全員で分配しよう」と、大胆な約束をぶち上げた。
ここから会社の空気は180度変わる。コスト意識が高まり、無駄な残業が減って定時退社が当たり前になり、決算が近づくと「今期はどうですか?」と社員が経営者視点で質問するようになった。売上拡大に向け、全社員が一丸となり仕事に集中した。その結果、ビルドサービスの売上げは右肩上がりに伸び、社内には笑顔が溢れるようになった。
“チームワークと人間性でグループ1番の会社になる”という鈴木の悲願を達成する日は着実に近づいている。
プロフィール
鈴木 正人
株式会社ビルドサービス 代表取締役社長
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